2006年度 SAJ公認パトロール検定理論試験問題
問1 「自分で転倒」での特徴的なケガについて、( )内に適当な語句を記入しなさい。【10問1点=10】
- カービングスキーでのケガの部位は(膝)が多く、その80%が(捻挫)であり、肩のケガでは50%が(脱臼)である。(教P14)
- ショートファンスキーでのケガの部位は足首や下腿に集中していて、下腿の80%が(骨折)であり、バインディングに(解放)機構が無いことも原因である。(教P14)
- スノーボードでのケガの部位は、手首や(肩)に多く、手首では約70%が(骨折)である。また、スノーボードで特徴的なのは(ジャンプ)でのケガが多いことである。(教P14)
- 最近の死亡事故の状況では、コース内外の(立ち木)への衝突が最も多く見られる。衝突事故を未然に防ぐためには、スピードを(コントロール)できる余裕を持って滑走することである。(教P17)
問2 カービングスキーによる傷害は、膝関節の傷害を増加させると言われています。カービングターンについて下記語群から適当な語句を選び、( )内に番号を記入しなさい。【10問1点=10】
- カービングターンでは、内スキー主導の(14)姿勢と、内スキーに外スキーを(10)させるための(7)姿勢が必要となり、膝に危険な肢位で滑るように強制していることになります。この時内膝は(11)ポジションで重心を維持するために深く曲げられ、わずかに(2)していて内膝の(13)は緊張状態にあり強くねじられる負荷が加わっています。(教P20)
- カービングスキーによる滑走スピードの(18)化により、コントロールを失ったとき(15)することが難しい。ノーマルスキーと比較して、前もって決められた軌道を(1)させたり(16)を避ける能力を発揮することを困難にしています。(教P21)
【語 群】
1 変化 2 外旋 3 反発 4 高い 5 内旋 6 外向傾 7 内向 8 低速 9 姿勢
10 同調 11 低い 12 継続 13 前十字靱帯 14 内傾 15 リカバリー 16 転倒 17 継続
18 高速 19 脚力 20 後十字靱帯
問3 スキーパトロールの活動について知るところを( )に記入しなさい。【15問2点=30】
- スキーヤーは、自分で危険を(予測)し、危険を(回避)しながらコースを選択し滑走する。その判断と(技術)はそのスキーヤーにしかできないものであり、他者がその滑走を(コントロール)することはできない。他人を危険にさらしたり(損害)を与えないように行動しなければならない。(教P36)
- スキーパトロールは始業点検実施にあたり、雪庇や崩落など発生危険度が高いところを(優先)して点検する。(教P39)
- パトロールとは「巡回や巡視」という意味合いである。巡視にあたっては雪面などの滑走(環境)の変化、スキーヤーの滑走(状況)に注意して巡回する。(教P39)
- 他のスキーヤーに迷惑を及ぼすような暴走行為、使用区分を無視して滑走するような危険行為に対しての規制や(指導)を行う事も必要であるが、他人の行動に介入する場合は、感情的になりやすいものであり(慎重)に言葉を選ぶべきである。(教P40)
- パトロールは、スノースポーツを楽しんでいる人々を取り締まったり、罰したりする(権限)を持つものではありません。スキーヤーに(信頼)される存在感こそが大切です。(教P43右)
- F.I.Sの環境ルールでは、十分な(積雪)があるときだけスキーやスノーボードを楽しむこと、特に(樹木)の茂ったエリアの滑走を禁止し、動植物の(保護)エリアへの立ち入りを禁止しています。(教P125右)
問4 身体の機能と構造について正しいものに○、誤りには×を( )内に記入しなさい。【5問2点=10】
- (○)骨膜や骨には血管や神経が多く、骨に加わる圧力を感じて身体のバランスや運動を円滑にしている。(教P69左)
- (×)捻挫とは、関節に力が加わり、靭帯や関節包などを伸ばしたり断裂したもので、関節を構成する相互の骨の関係も異常(正解:正常)な位置にある。(教P70右)
- (×)骨格筋は主に骨格に分布し体重の40%(正解:30%)を占め、自分の意志で収縮を調節できる随意筋である。(P72)
- (○)神経の作用には、身体の末端でキャッチした情報を中央に送る感覚神経、送られてきた情報を判断して決定する中枢神経、決定を実行するように末梢に伝える運動神経がある。(教P74左)
- (×)頭部外傷で内出血が生じ、血腫が硬膜と頭蓋骨の間に貯留すれば硬膜下(正解:外)血腫と呼ぶ。(教P74右)
問5 雪上救急法について正しいものに○、誤りには×を( )内に記入しなさい。【10問2点=20】
- (×)スキー傷害の30%を占める膝十字靱帯損傷の発生率は、女性より男性が2倍ぐらい多い。(教P90左)
- (○)スノーボード外傷で、後方に転倒したとき直接頭部を強打しなくても頭蓋骨と脳との間に回転のズレを生じて、脳表面と頭蓋骨との間の静脈を切って内出血を生ずることがある。(教P93左)
- (×)捻挫では骨と骨の間の不安定性を調べて重傷度を判定し、スキー場での救急処置は程度に応じて適宣実施する。(教P80左)
- (×)骨折は、外力により骨の生理連続性の断たれた状態を言うので、骨の一部が折れた「ひび」は骨折には含まない。(教P80右)
- (×)肋骨骨折による肺や心臓の損傷、骨盤骨折による大血管への損傷は、生命を失う危険は無いがすみやかに患部挙上の処置を行う。(教P81左)
- (○)人間は体内の血液循環などを一定に保つ生理的機能がある。この機能が異常となった状態をショック症状と呼ぶ。(教P81右)
- (○)頸部の損傷では上肢と下肢の麻痺を、脊椎の損傷では躯幹と下肢の麻痺を示す。(教P87左)
- (×)鎖骨・上腕骨・肩甲骨の骨折では、肩周辺の異常な腫脹をみる。(教P88左)
- (×)寒冷に暴露されたりして体温が奪われ正常な代謝機能が失われる死亡率の高い疾患をハイポサーミアという。したがって夏山や海、都会などでは起こらない。(教P92左)
- (×)寒冷に暴露されたりして体温が奪われ正常な代謝機能が失われる死亡率の高い疾患をハイポサーミアという。したがって夏山や海、都会などでは起こらない。(教P92左)
- (○)スキーヤーズサムはグリップを太くすることで、突き指したときに親指の靱帯が保護できる。(事務局注※「スキー場安全管理マネジメント講習資料」、軽井沢プリンスホテル、平成18年1月18日より出題されています)
問6 バックカントリーについてである。( )にあてはまる語句を記入しなさい。【10問1点=10】
- 二つ玉低気圧とは、日本海側と太平洋側の両方に低気圧があって、(全国)的に大荒れの天候になる。その後、日本の東海上で融合し強力な(冬型)の気圧配置となる。二つの低気圧の中間部に1~2時間の擬似(晴天)が現れることがある。(教P110右)
- わが国の各地の気象台から発表される雪崩注意報は、「24時間以内に予想される(降雪量)を基準」として(大雪)注意報と連動して(表層)雪崩を想定して発表され、「現在の(積雪量)と予想される(日平均気温)」を基準として発表される雪崩注意報は(全層)雪崩を想定して発表される。(教P113右)
- 地図上の北と磁石の指す北とは差があり、その差を(偏差)という。(教P107左)
問7 ロープワークの特徴である。結び方の名称を( )に日本語で記入しなさい。【5問2点=10】
- 二つの輪は同じ大きさで変化せず、輪を真下方向に引くほど強度を増す(腰掛結び)(教P64)
- 本結びよりも1回多く巻きつける結び方で、堅くて滑る材質のロープの結束には有効である(外科結び)(教P61)
- 杭など、ロープの輪を上から通せる場合スピーディーに結ぶことができる(巻き結び)(教P63)
- 解きやすいのが特徴で、引っ張っても輪が変化しない利点があり、固定されたフックなどの支点として使用される(もやい結び)(教P63)
- 左右を引き止めたロープの中間に輪を作る代表的なもので、輪が縮まないのが特徴である(ちょう結び)(教P64)
※ 問題末尾に、(教)とあるのは、日本スキー教程「安全へのシュプール」第2刷を示す |